成長期のお子さんがいらっしゃる親御さん、毎日「カルシウムが豊富だから牛乳飲みなさい!」とお子さんに言っていませんか?

それはおそらく、カルシウムが身長を伸ばす栄養素だと思われているからだと思います。

しかし、現代「身長を伸ばすために牛乳は関係ない」と言う情報も多く耳にするようなりました。

「えっ?そうなの?」「じゃあ、成長期の子供には牛乳を飲ませても意味が無いってこと?」と疑問に感じられる親御さんもいらっしゃると思います。

そこで、今回はカルシウムをはじめとする身長を伸ばす栄養素と働きについてご紹介したいと思います。
 

身長を伸ばすのに牛乳は関係ないの?

 
結論として、身長を伸ばすために牛乳が関係ないことはありませんが、皆さんが考えられている「カルシウムは身長を伸ばす栄養素」ではなく「骨を丈夫にする栄養素」働きなのです。

身長を伸ばす栄養素はカルシウムではなく「たんぱく質」なのです。

たんぱく質はヒトの体内で骨や筋肉になる栄養素であり、成長ホルモンのもととなる栄養素で、特に成長期のお子さんには最も重要な栄養素と言えます。

たんぱく質は、お肉やお魚・卵・乳製品・大豆製品などに豊富に含まれています。

そして、たんぱく質の働きをより強化する栄養素が「カルシウム」や「マグネシウム」「亜鉛」なのです。牛乳には、たんぱく質・カルシウム・マグネシウム・亜鉛が含まれているので全く身長と関係ない飲み物ではないということです。
 
 

牛乳を飲む際に気を付けること

 
では、たんぱく質もカルシウムも摂取できる牛乳をたくさん飲めば身長は伸びるのかというと、そういうわけではありません。

牛乳を大量に飲むと生じる問題が「満腹感」「肥満」「アレルギー」「お腹の不調」などです。

「満腹感」

牛乳は味が濃く、脂質が豊富に含まれていることから満腹感を得やすい飲み物です。

そのため、成長期に必要な他の食事や栄養素の摂取の妨げになることがあります。

「肥満」

牛乳には脂質も豊富に含まれていることから、飲み過ぎは肥満の原因になります。

肥満は成長ホルモンの分泌を抑制してしまい身長の伸びがゆるやかになることがあります。

「お腹の不調」

牛乳を飲むとお腹が痛くなったことはありませんか?

それは、「乳糖不耐症」かもしれません。

実は乳糖不耐症は日本人に多い症状で、牛乳に含まれる「乳糖」がラクターゼと言う消化酵素によって十分に分解されないことによって起こります。

乳糖が十分に分解されず腸を刺激し、下痢やお腹の張りなどの症状を引き起こすのです。

「アレルギー」

牛乳の主要たんぱく質である「カゼイン」という成分は粒子が小さい特徴があり、腸の機能が弱っていると腸壁を通り抜け血中に入り込んでしまうことがあります。

すると、身体は異物として認識し免疫反応を起こしてしまいます。

その結果、花粉症やアトピー・喘息などのアレルギー疾患を引き起こすとされています。
 
 

牛乳の一日摂取量はどれくらい?

 
では、成長期にはどれくらいの牛乳を摂取すれば良いのかというと、1日1本~2本、200ml~400mlが望ましいでしょう。

そして、成長期の男の子はカルシウムを1日1000mg、女の子は800mg摂取する必要があります。

牛乳1杯には227mg程度のカルシウムが含まれていることから、牛乳2杯で約450mgのカルシウムを摂取できます。

しかし、成長期のお子さんにはカルシウムはまだまだ必要です。

前述のような飲み過ぎの注意もありますので、お魚やチーズ・桜エビやしらすなどの食材でも摂取をするようにしましょう。
 
 

おわりに

 
身長を伸ばすために牛乳が関係ないわけではないことをお分かりいただけたでしょうか。

また、以外にも牛乳の飲みすぎも良くないということがお分かり頂けたと思います。

牛乳に偏ったカルシウム摂取ではなく、食事からもバランスの良いカルシウム摂取を行い、お子さんの成長をサポートしてあげましょう。